南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「先生、コイツからかうのやめて下さい。バカなんで本気にしますよ。」
低く吐き捨てるような瀬那の言葉に、ハッとして顔をあげれば、
不機嫌この上ない瀬那と目が合う。
……ま、マズイ。
「…ぶっ、ハハッ…わりぃわりぃ。森坂の純粋すぎる反応についS心に火がついて。」
「私……か、からかわれ…た?」
「ごめんな、森坂。さすがに生徒とキスしねぇわ。後で南にしてもらえ。」
ケラケラと楽しそうな葉山先生の言葉に、かぁ〜っと赤くなった私に瀬那は"バーカ"と、どうやら呆れているらしい。
「あ、それで南!夏休みなんだけど、良かったら俺の弟の勉強見てやってくれないか?」
「俺がですか?」
「あぁ、担任から南がすみれが丘大学に行くって聞いてさ。少し勉強に余裕があるんじゃないかと思って。弟は今高2だから南も復習がてらいいと思うんだけど。どう?家庭教師!」
夏休み…すごいな〜、瀬那は。
家庭教師 頼まれちゃってるよ。
私も後輩に胸はって勉強、教えたりしたかったな〜。