南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「俺、夏休みはちょっと。」
「用事でもあるのか?」
チラッと私へと向けられた瀬那の視線。
ん?と首をかしげてからハッとする。
「あ、私の勉強なら大丈夫だよ!1人でする!」
「嘘つけよ。無理だろ。」
「あ〜!本当なのに〜!!(激しく嘘)」
ぷぅっと頬を膨らませて、拗ねてますアピールをして見ても、瀬那の疑いの眼差しは揺るがない。
「…ったく、…じゃあ平日だけでいいなら家庭教師 引き受けます。」
半ば諦めたように葉山先生に視線を向け、それだけ呟いた瀬那は、すぐにクルッと私へと向き直って
「土日で、お前の勉強ら見てやるから。あ…もちろん、遊びに行けるなんて思うなよ?」
悪魔のような形相で私を見つめるもんだから、家庭教師をすることに無駄に背中押すんじゃなかった!って、すぐに後悔したのは言うまでもない。
「そんな〜〜〜〜!!!」
夏休み開始まであと3日。
高校3年の、大事な夏休みだ。
瀬那と恋人として過ごせる初めての夏休み。