南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
髪の毛1本1本が心臓になっちゃったんじゃないの?ってくらいドキドキして、触れられるのは初めてじゃないのに、どうしょうもなく緊張してしまう。
「先生に頭ポンポンされても何も感じなかったけど、瀬那にはすごくドキドキするよ。」
緊張して、顔見れないくらい。
今、仮に目なんか会ったら、鼻血出して倒れる自信があるよ。
「…当たり前だろ。」
「…え?」
「お前は俺が好きなんだから。」
"行くぞ"と私を解放した瀬那は、もう数歩先を歩いてて、その後ろ姿を…きっと、こんなにも愛しいと思えるのは、私だけなんだから。
絶対、離れないでね!!
どこまでも追いかけるからね!!
「じゃ、じゃあ!瀬那も私にドキドキする?」
追いかけながら瀬那に問う。
こういう質問には『さぁ?』とか『知らね』とか、いつも曖昧ミーマインな瀬那だけど、
「……するんじゃねぇの。」
たまに不意打ちで素直だったりするから、
「〜〜っ、」
「自分で聞いてきたくせに。」
目を見開いて固まる私を笑いながら"置いてくぞ"なんて、余裕そうな瀬那にまんまと返り討ちに合った気分。
やっぱり私は、瀬那には敵わない運命なんだ。