南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
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「………全然ナイスアイディアじゃない。」
おかしいな〜。
図書館に来れば、勉強が捗る!って信じて疑わなかった私は、図書館に着いて早30分。
結局 1問も解けないままの課題を見つめてため息を零している。
月曜日に、英語を終わらせて。
火曜日に、古文と現文を終わらせて。
水曜日に、化学と生物を終わらせた。
……ほら、教科書とか見るとある程度答えが分かる調べ学習ってやつ!!
でも、数学だけは……
「二次不等式って、何だっけ?」
自力で解かない限り進まない。
「わっかんないよぉ…。」
周りは頭の良さそうなインテリ男子や、お嬢様高校に通ってそうな清楚女子たちが、黙々と勉強や読書に励んでいて、
私ひとりが場違い感を漂わせている。
「二次不等式。公式覚えたら簡単だよ。」
「へ?」
そんな私のすぐ側から、聞き覚えのある声が聞こえてバッと音が出るくらい勢いよく振り向くと、
「俺が教えてあげよっか。」
ニコリと笑って私を見つめる1人の好青年。
ま…間違いない、優しさで出来ているんじゃないかと思われる
学級委員の嶋中くんだ。