南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )




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金曜日。



「南先輩、今日もありがとうございました!」


「ん。今日のとこ、来週までにしっかり復習しとけよ。」


「了解です!休日は彼女さんと思う存分ラブラブして下さい。」


「…しねぇよ。」



いつも通り、10時から16時まで家庭教師として葉山先生の弟らしいコイツ 葉山 悠太(ハヤマ ユウタ)の勉強を見てやっていた俺は無事に1週間の勤めを終えた。


玄関先で見送りながらニヤニヤと笑う悠太に、一瞬で佑麻の事を思い出して、なぜかドキッとする。




「南先輩の彼女ってことは、絶対 可愛いですよね!うわ〜、超見てぇ!写メとかないんですか?」


「あっても見せない。じゃ…また月曜日な。」



悠太の勢いに飲まれる前に退散しようと、まだブツブツうるさい悠太に背を向けた俺は、



「悠太〜!お母さんが…って!……南先輩?」


「……原野?」



葉山家へと訪ねてきたらしい原野とバッタリ遭遇してしまった。

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