南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



「話って、それだけ?」


「それだけ…って、森坂先輩…男の人と2人っきりで、」


「それは、俺から佑麻に聞くから。第三者から聞いて話ややこしくしたくない。」


「第三者……、私は!」



口をギュッと結んで、悲しみに震える原野の肩を抱きしめてやることは俺には出来ないし、


うっすら滲む涙を拭ってやることも出来ない。



「俺は、何があっても原野の気持ちに答えることは出来ない。」



「……なんで!?なんで森坂先輩なんですか!!私だって好きなのに…、こんなに好きなのに!!」



期待させる方が酷だから。
傷付けることになっても、俺は引かない。


佑麻を不安にも、したくない。
だから俺に出来るのは、



「原野がとれだけ想ってくれてるかとか、佑麻がどれだけ想ってくれてるかなんて測れねーし、分かんないけど。」



一番苦手だけど、



「俺が想ってんのは、アイツだけだから。」



ちゃんと言葉にして伝えること。
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