南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



「俺に、隠してることは?」


「え?隠してること……?何も…あ!」


「っ、」



あった。隠してる、ってよりは言うタイミングがなかっただけなんだけど。


やけに私の言葉の続きを待っている瀬那と、私の距離は相変わらず。



「あ、あの…近っ、」


「早く言えよ。」


「〜〜っあのね、木曜日の日…図書館に行ったの!家だと集中出来ないからって理由で!…でも結局 図書館でも私の集中力は変わらなくてね?」


「うん、」


相槌を打ちながら、ゆっくり話す私の言葉にちゃんと耳を傾けてくれる瀬那。



「そんな時にちょうど嶋中くんに声をかけられて!」


「…っ!」



明らかに【嶋中くん】のワードに反応して、機嫌が悪くなる瀬那に、続きを言おうと開いた口が再び閉じていく。



「で?」


そんな私を急かす瀬那の声に、私は恐る恐る口を開く。



「瀬那に会えない平日は毎日、嶋中くんが勉強見てくれるって。で、でも!ちゃんと断ったよ!

瀬那以外に教えてもらうのはちょっと…って、そしたら嶋中くんも分かってくれて、せっかく会ったから今日だけ教えてあげるって言ってくれてね!

せっかくだから…その数学のプリントを丁寧に教えてもらっちゃいました…。」



怒られる?怒れれちゃう?
また危機感がないとか言われちゃう?


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