南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
本当は、ほんのちょっと瀬那も一緒に来てくれるかな〜…なんて期待してたけど
そこは、南瀬那。
そんなわけありませんでした。
当たり前みたいな顔して、サラッと私を見送りながら視線は手元の参考書。
そうですか、そうですね。
わかってましたよ!薄々、1人で来ることになろうことくらい!!ええ!!
「ふぅ…」
進路指導室の扉を開けて中へと入れば、部屋の両脇に立ちはだかる本棚。
この中から…見つけろって言うのぉ!?
見つかるかな…。
「えーっと…すみれが丘…すみれが丘…」
亜門学園じゃない、舞戸学園でもない、平岡美術大学でもないし…
あ、よく見たら『あ行』とか『さ行』とか…ちゃんと区切られてるじゃん。
すみれが丘……さ、し、す……って!
おい!!
見上げる本棚に、やっと見つけた【すみれが丘大学】の文字。
「……よりによって、何で一番上にあるのよー!」
見上げすぎてクラクラしてきたよ、私は。