南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
まずいって。
もう、どうして私はこうもバカなんだ。
何をやらせても1人前に出来ない。
素直にチビなので資料取ってくださいってお願いしとけば良かったのに。
あー、もう。
「…で?…いつまでこの距離?俺、理性 限界だけど。」
「あ!!ご、ごめんね!今どくから、」
勢いよく体を起こした私と嶋中くんの距離が離れて、
─────────グイッ
「っ、し、まなかくん…?」
にぶい私の腕は再び捕まって、また近づく距離。
「森坂…やっぱ、俺」
──────────ガラッ
何か言いかけた嶋中くんの言葉を遮る、ドアの開く音。
全身を寒気が襲う。
誰が来たのか、確認する前から嫌な予感がする。
一瞬で頭が真っ白になって、
すぐそこで涙の音がする。
どうしよう、どうしよう。
頭の中は、必死に言い訳を探してる。
別に、言い訳する必要なんでないのに。椅子から落ちました。嶋中くんが助けてくれました。
…たった、それだけの事なんだけど。
今の私たちの状況を見て、はい、そうですか。なんて誰が納得するだろう。
「……何してんの?」
「……、っ瀬那」