南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )




「ごめん、俺 謝んないよ。」


「……謝ってるじゃんか。」



瀬那が帰ってしまったあと、静かな空気が私と嶋中くんの間に流れる。


今回は本当に、嶋中くんは悪くない。
助けてもらったんだもん。


…ううん、今までの事だって、全部 嶋中くんは悪くないんだ。



「もし、南と森坂に何があっても、俺は…もう引かない。」


「……。」



「弱ってる時に反則だって言われても良い。それでも、俺…森坂が好きで仕方ないっぽい。」



「………ぅ、うぅ……」




本当に、こんな時にズルイなぁ。


聞きたかったのは、嶋中くんからの『好き』じゃなくて瀬那からの『好き』なのに。



嶋中くんの気持ちに、どこか救われている自分がいる。



ねぇ、瀬那。
瀬那は今 何考えてるの?

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