南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「…明日、俺からもちゃんと南に話すから。そしたら誤解解けるかもしれないし。」
「…ううん。いいの、私の言葉で瀬那に伝えなきゃ、ダメだと思うから。私、自分で頑張るよ。」
今まで散々追いかけてきた。
泣いて、怒って、笑って、
その全部に瀬那がいた。
今更、こんなちっぽけな事で手放せるわけがない。瀬那にとっての私も…そういう存在だといいな。
「強いよね、ほんと。」
「え?」
「…ま、俺も森坂に対してはメンタル強めだけど。」
「……嶋中くん…」
確かに、私は瀬那にどんなに傷付けられても、どんなに泣かされても、絶対 絶対 気持ちは揺るがない。
それを強いって言うなら、私は確かに強いのかもしれないな。
…私が瀬那を強く想えば想うほど、嶋中くんは今の私みたいに辛いとか、怖いとか、悲しい気持ちになるのかな?
だとしたら、
「あ、申し訳ない…とか思うの禁止ね。俺、まだ負ける気ないから。」
「…っ、」
私の思ってる事を、まるで分かってしまったかのように口角をあげて笑う嶋中くんにハッとする。