南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「……っ、」
「あ〜!先輩、また出た!とか思ってます?」
「何しに来たの。」
いつもの調子で話す紗菜ちゃんに、冷たい態度を取ってしまうくらい、正直 気持ちに余裕が無い。
「冷た〜い!…南先輩と、何かありました?」
クスッと小さく笑って、バカにしたように口角をあげる紗菜ちゃん。これが中学生だと言うのだから、世も末だと思うわけ。
「関係ないでしょ。」
「え?大ありですよ〜!隙あらば南先輩、奪うつもりなんですから。」
「勝手なことばっかり言わないで!」
「勝手なこと?…それは、森坂先輩だって同じじゃない。自分の勝手な想いを南先輩に押し付けて、優しい南先輩に付き合ってもらってる。…私のやってる事と、何が違うの?」
ドクン……ドクン……
心臓が嫌な音を立てる。
違う。
私と紗菜ちゃんは、違うもん。
「瀬那は、私のこと好きだって…言ってくれてるもん!紗菜ちゃんと私は違うよ!」