南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「瀬那……私、」
当たり前だ。私は高校3年生。相手は中学3年生。どう考えたって、私が大人げなかったんだ。
私が悪かったんだ。
でもさ、でもさ?
「原野立てるか?」
「あ、はい…」
「送ってくから、歩ける?」
「いいんですか?やった〜!ちょっと足もくじいたみたいで…ゆっくりなら歩けます!」
「なら、俺に掴まっていいから。」
私にだって、色々あるんだよ。
いい子でばかりだって、いられない時もあるの。
こんな時こそ、抱きしめて、どうしたの?って何かあったの?って聞いてよ。
そしたら、なんて事無い顔して大丈夫だよって言えるのに。
「瀬那…?なんで…?」
何で、紗菜ちゃんなの。
私の心は、紗菜ちゃんのケガより重症だよ。
…なんて、人にケガさせておきながらこんな事 思ってるからダメなんだよね。
「……森坂先輩って、南先輩がいないと乱暴もするんですね!怖〜い!」
「っ、ごめん」
「俺、送ってくから。佑麻は1人で帰れよ。」
私に背を向けて歩き出す2人の後ろ姿。
見つめながら零れる涙に、瀬那は気づかない。
やっぱり、無理かもしれない。
ついこの間までは幸せだったのに、なんでこうなっちゃったの?
全部 私が悪いの?瀬那はまだ、私と嶋中くんとの関係を疑ってるのかな。
私の気持ちが120%瀬那でいっぱいって、いつになったら伝わるんだろう。ううん、きっと伝わらないのかもしれない。
瀬那と私の好きの度合いが違いすぎるから。