南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
下校中の生徒達は、ザワザワと私の噂をしながら帰っていく。
年下相手にケガさせたとか、瀬那に振られたとか、号泣しすぎて目が腫れてるとか。
「あれ?佑麻ちゃん?」
「……っ、あ」
そんな私に声をかけて来たのは、
「瀬那には追いついた?…って、どうした?」
「宮坂くん……」
今から帰るらしい宮坂くんだった。
「………何があった?」
今日は、茉央ちゃん眼科に行くって早く帰っちゃったから1人なんだ。山田はどこ行ったんだろ?
にしても、タイミング悪いな〜。
泣き顔なんて、見られたくないのに。
「へへっ…。私、大人気なく突き飛ばして…ケガ…瀬那は、送ってくからって…私に1人で帰れって…」
「え?ちょ、落ち着いて!ちゃんとゆっくり話してみて。」
茉央ちゃんに似てる。
この安心する空気とか、包容力とか。
「もう…そばに居たくない……こんなに辛いなら、いっそのこと離れたいよ…」
泣きじゃくる私に、宮坂くんは困り顔だけど
「俺は、それも有りだと思うよ。瀬那とじゃなくたって、佑麻ちゃんが幸せになる道はいっぱいあるんだから。俺は瀬那の親友だけど、茉央の彼氏だから。茉央の大事な佑麻ちゃんの味方だよ。」
私の欲しい言葉をくれる。
味方だよって言葉が、どれだけ今の私を救ってくれただろう。