南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



じゃあ、何で、今お前と佑麻ちゃんはこんな状況になってんの?


と、俺は思うわけですよ。



「泣いてたよ。」


「え?」


「すげぇ、泣いてたよ。佑麻ちゃん。」


「は、会ったのかよ…」


「校門の前で泣いてるんだもん。びっくり。」


「………。」


「俺がちゃんと慰めて、ちゃんと家まで送って帰ったから、ダメ彼氏に代わって!!」


「は?家まで?」



お?また嫉妬かよ。
彼氏としての責任も果たせないくせに、嫉妬ばっかりは一人前だな、瀬那くん。



「彼氏が、目の前で自分以外の女に駆け寄って、挙句 送って帰るって、どんだけ佑麻ちゃんにとってキツイことか…ちゃんと考えて行動してんの?」


「……、」


「何で突き飛ばしちゃったのか、佑麻ちゃんに聞きもせずに責めて。佑麻ちゃん…どんだけ辛かったろうな?」


「…なんで礼央に説教されなきゃ」


「俺じゃなきゃ、誰がお前のこと叱ってくれるんだよ。カッコばっか気にして、佑麻ちゃんに自分の気持ち全部 ぶつけられもしねぇで。失くしてからじゃ、遅いんだからな。」



「っ……」
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