南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )


お前なんか泣けばいい。

佑麻ちゃんに振られて、泣いて、なりふり構わず佑麻ちゃんを追いかければいい。


追いかける側がどんなに辛いか、苦しいか、味わえばいい。



「当たり前じゃねえんだぞ。佑麻ちゃんがお前を好きでいてくれる事も、そばにいてくれることも。」



「分かってるよ、」


「分かってねえよ。」


「どんだけ怒ってんだよ、つーか、なんで礼央がそんなに怒ってんだよ。」



「俺なら、例え完全に茉央が悪いであろう状況に出会しても、迷わず茉央に駆け寄って抱きしめる。大丈夫だよって、どうした?ってな。」



「…へぇ…片瀬はさぞかし幸せだな。」


「当たり前だろ。茉央を幸せにするために俺はいるんだから。泣かせるためにそばにいるんじゃねえんだよ。」



佑麻ちゃんを泣かせるなとは言わねぇよ。


でも、傷つけんな。


佑麻ちゃんが傷つくことは、茉央が傷つくこと。
そんなの俺が許さねぇからな。



「俺は、お前も大事だよ。」


「なんだよ、急に。きもい。」



だから、分かるんだって。
お前には佑麻ちゃんが必要だってことも、本当は佑麻ちゃんのことが、すげぇ大事だってことも。



「ま、頑張れ。」



結局のところ、お前が頑張らなきゃどうにもなんねぇんだわ!…きっと、佑麻ちゃんはもう自分の中で答え出しちゃってる頃だろうな。


どうする?瀬那。
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