南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
Yuma side
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【話したいことがあるので、これから会いに行ってもいいですか。】
何だか他人行儀な、そんな文字を打ち込んでLINEの送信ボタンを押したのは、もう20時を回った頃。
本当は、明日にしようって思ったけど。
それじゃダメな気がしたんだ。
瀬那と向き合うのは、今じゃなきゃいけない。
そんな気がしたんだ。
【俺が行く。着いたらLINEするから出てきて。】
すぐに既読が付いたことにホッとしていた私に届いたのは、ギクシャクしてることが嘘みたいな瀬那のいつも通りの優しさ。
あぁ、どうしよう。この優しさと触れ合えるのは、もしかしたらこれが最後になるかもしれない。
涙で視界が滲んでいく。
私らしくないけど、瀬那と離れる未来を少しだけ真剣に考えてみたんだ。本当は1mmだって、考えたくなんかない、そんな未来を。
1人 瀬那を待つ、家の前。
8月の風は日中受けた太陽光が、アスファルトからジワジワ放出されるせいか、夜でも変わらず蒸し暑い。