南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



もうすぐ9月になると言うのに、いつになったら涼しくなるんだろう。




なんて、考えてたらあっという間に




「佑麻。」




聞きたくて、聞きたくなかった。


会いたくて、会いたくなくて、




「……こんばんわ。」



だけどやっぱり、会いたくて仕方なかった。



まだ制服のままの大好きな瀬那が、私のすぐ側まで来ていた。





「……ん。」



こんばんわ…ってなんだよ。
なんて、自分で自分に突っ込んでみるけど、目の前の瀬那から漂う何とも言えない空気に、一瞬で現実に引き戻された。




「私が連絡したのに来てもらっちゃってごめんね。」


「…別に。そんな遠くないし。」


「…うん。それはそうなんだけど…」




よく見れば、軽く肩で息をしている瀬那に、もしかして走ってきてくれたのかな?なんて。


…はい、都合のいい解釈ですね。



それにしても、今まで瀬那とどうやって喋ってたんだっけ。こんなに会話が続かない事なんて、今までなかったのにな。


※正確には今までの8割がほぼ、佑麻の永遠マシンガン独り言を瀬那は聞いていただけ。




「…で?話したいことって何。」


「っ、」



単刀直入に切り出されたその言葉に、ドキッと心臓が跳ねる。
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