南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



「………」


「何で、何も言ってくれないの…?」



そりゃ聞き飽きたかもしれないけど。
もう知ってるかとは思うけど。


違うじゃん。
今の告白は、告白と言うよりも…なんて言うか。



あの日の瀬那への答えだよ。



────『佑麻、お前 誰が好きなの?』


あの日、私の心にポッカリ穴を開けた…あの質問への答えなんだよ?



「…佑麻の気持ちが、俺には全然分かんねぇ。」



少しの間を置いて、瀬那が放った言葉。
それが、今の私にはあんまりにも酷で。


「何で…?伝えてるじゃん。言葉にしてちゃんと伝えてるのに!!」



思わず取り乱してしまう私は子供なのかな。



だとしたら、




「言葉だけじゃ、伝わんねぇこともあるじゃん。」


こんな時にも冷静な瀬那はやっぱり大人なの?



言葉だけじゃ伝わらないことって何さ。私そんなの知らないよ?大抵の事は言葉で伝わるんだから。

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