南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「───…いよ、」
「え?」
「分かんないよ瀬那には…!瀬那には私の気持ちなんて…一生分かんないよ!」
閑静な住宅街。
私たちを照らす街頭は、ぼんやり白く光っていて、その光に照らされた瀬那の顔は、今日 初めて私に感情を伝えてきた。
目を見開いて驚いたあと、すぐに口をギュッと結んで黙りこくってしまった瀬那に
1度暴走した私の口は、止まることを知らない。
「好きで好きで、どうしようもなく好きで…やっと、やっと追いついたって勝手に思ってた。」
悔しくて仕方ないの。
1年の時から想い続けてきたんだよ?
私の気持ちが分からないって、今更そりゃないよ。
「…なんだよ、急に…、」
初めて、瀬那にこんなにも大きな声を出した。
初めて、瀬那にこんなにも強く言葉をぶつけた。
「瀬那は、私じゃなくてもいいんだよ。
たまたま、あの時 瀬那にウザイくらい好きだって伝えたのが私だったから……!
もし、あの時 私じゃなくて紗菜ちゃんが同じことしてたら、きっと瀬那は…紗菜ちゃんを選んでたくせに!!!
私の事なんか、本当はこれっぽっちも…好きじゃないくせに!!!」