南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
息継ぎも忘れて吐き出した。
本当はずっと思ってたけど、考えないようにしてたことを、ついに瀬那にぶつけてしまった。
きっと私じゃなくても、瀬那は押しに負けて付き合ってた。"私だから"なんて特別な理由なんてない。
そう思うんだ。
だって瀬那はすごく、優しいから。
「…っ、ああ。そうかもな。確かに佑麻に会ってなかったら、俺は今、原野を選んでたかもしれない。」
でもさ、いくら私が言い出した事とは言え、
ここは否定しとくとこじゃないのかな。
壊れていく音がする。
私の"好き"が、大きくなりすぎて、パーンッて。風船が割れた時みたいに大きな音を立てて壊れた。
「っ、…もうやだ。もう疲れた…。瀬那といると苦しい。」
見てるだけで良かった。
声を聞くだけで嬉しかった。
話せた日は1日中 幸せで、
両思いになれた日は、涙が止まらなかった。
「いつまで経っても私ばっかり好きで、私の想いが大きくて、どんなに追いかけても…追いつけないよ。」
きっと私は欲張りなんだ。
どんどん欲張りになって、瀬那の全部を独り占めしたくって。
中学生相手にムキになったりして、瀬那に呆れられちゃうし。バカだから、嶋中くんのこと誤解されちゃうし。