南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



力任せに引き寄せて、自分の欲望のままに佑麻を抱きしめれば、久しぶりに感じる佑麻の体温。甘ったるい佑麻の匂い。



「…み、南く「瀬那、だろ。」



佑麻に付き合う前のように南くんと呼ばれ、無性に腹が立った俺は、そのまま佑麻にキスをする。

学校だとか、人前だとか、そんなことどうでもよくなって、ただ…佑麻の気持ちがもう自分に向いてない…それがどうしようもなくムカついて



やっぱり、誰にも佑麻をやりたくないって、俺だけが…佑麻に触れて、佑麻を見つめて、佑麻に囁いて、佑麻のこんな顔は、俺だけ知ってればいい。



俺でいっぱいにしたい。


余裕ぶって、失って、意地張って、遠のいて…


でも結局。俺はコイツが居なきゃ空っぽで、思い出すのは『瀬那!大好き!』って…バカみたいに笑う佑麻だった。




今度は、俺が追いかける。

もう絶対、離したりなんかしないから。

< 280 / 324 >

この作品をシェア

pagetop