南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
Yuma side
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「佑麻、」
「っ、」
耳元で聞こえる声に、体が麻痺していく。
抱きしめられている感覚が、あまりにも懐かしくて。
好きが…溢れちゃいそうになる。
ギューって抱きついてしまいそうになる。
「…俺んとこ戻って来いよ。」
「っ南くん?」
「…それ、今更 名字呼びとか本気でムカつくんだけど。もう…俺の片想い?」
夢を見ているのかもしれない。
瀬那が私に片想い…?そんなの、あるわけない。
だって、私が好きなのは他でもない瀬那ただ1人なんだから。この先、私が瀬那に片想いをする日が来たって、瀬那が私に片想いをする日は永遠に来ない。
ほんと、分かってない。
「わ、私は…!」
「俺お前がいなきゃ無理だった。…誰でも良いわけねぇじゃん、バカ。
今度は俺がちゃんと、佑麻の事追いかける。佑麻が寂しいなんて感じる隙もないくらい、不安に思うことなんかないくらい言葉にして伝える。」
私の言葉を遮って、息継ぎいつしてるの?ってくらい早口言葉で告げられた言葉に、胸がギュって苦しくなって、信じられなくて、でも夢なんかじゃなくて。
「っ、………」
「佑麻を幸せにするのは……やっぱ俺がいい。」
嬉しさと、戸惑いが同時に押し寄せてくる。