南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「瀬那……、私」
「佑麻、」
"大好き"その一言を早く伝えたくて、口を開いた私の言葉は、私を呼ぶ瀬那の声によって再び遮られた。
「好きです。俺と付き合って下さい。」
涙が滲んで……溢れていく。
ずっとポッカリ空いていた心の穴が…温かい何かで埋められていく。
まるで、冷えた体で湯船に浸かった時のように、一瞬で体が温かいものに包まれる…
そんな感覚。
「……う…うぅ…っ、」
あー、私 泣き虫だ。
最近は特に泣いてばかりだ。
だけど、これは悲しい涙じゃないんだよ。
瀬那の気持ちが嬉しくて出た、嬉し泣きだもん。
「…返事は?」
少し震える瀬那の声。
きっと、すごい勇気を出して言ってくれたんだよね。