南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



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お寿司に、チキン、ケーキ。
食べすぎだろってくらいお腹に詰め込んで、お風呂も頂いて。


大人数でワイワイ食べるってなんでこんなに美味しいんだろう。もちろん瀬那のお母さんが料理上手ってのもあるんだろうけど。



────────ガチャ




「お風呂、ありがとう。」



先にお風呂を済ませていた瀬那の待つ部屋へと向かった私。



「ん。」



それだけ答えて、私から視線をそらす瀬那を不思議に思いながらも私の足は迷わず瀬那の隣まで進んで



───ストン


と、まるで効果音でも出そうなほど自然に、瀬那の座るベッドの上へと腰を下ろした。



「っ、」


「ん?」



一瞬だけビクッと揺れた瀬那を見つめながら首を傾げれば




「あのさ、普通…隣に座る?」


「え!なんで?…ダメなの?」



困り顔の瀬那と目が合う。


だって、付き合ってるんだし。
瀬那のこと大好きだし。

出来ればいつだって隣がいい、ダメなの?



「はぁ……ダメって言うか…」


「ダメって言うか…なに?」



諦めにも近い瀬那の顔。
一体、何がどうしたって言うんだろう。


ひたすは頭の中が???でいっぱいだった私は、




───────ドサッ



「……っ、」



次の瞬間、全ての意味を理解した。

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