南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )


「瀬那、しりとりしよ〜!」

「………。」


「じゃあ、"しりとり"の『り』からね!りんご〜!次、瀬那!」


「………。」


「『ご』だよ!瀬那!…しりとりって知ってる?!」


「……はぁ、佑麻うっさい。」



電車に揺られてもうすぐ20分。この時間も無駄にしたくない私はひたすら瀬那にウザ絡み。


そんな私を、付き合う前とほぼ変わらない冷めた眼差しで見つめ返してきた瀬那に、少しだけめげそうになるけれど


「…かまってよ、少しくらい。」


私、元々 すごくかまってちゃんだと思うんだよね。でも、瀬那 相手にはそんな部分を出せずに我慢ばっかりして過ごしてきたわけで、


「へぇ、かまってちゃん?」


「…だ、だめ?」


こうして、素直にかまって欲しいと伝えたのはこれが初めてのこと。


きっと、瀬那のことだから"そういうの面倒くさい"とか言うに決まってる!


「面倒くさい、かまってちゃんとか。」


ほらね?!大正解でしょ?!
瀬那が楽しめる場所なんて思いつかないけど、瀬那の言動はほぼ読めるもんね〜!だ。


「や、やっぱり……」


「でも、佑麻だけ特別 甘やかしてやってもいいよ。たまに、なら。」


「っ、と…特別?!それって、か、彼女の特権?!」


あー、ほぼ読めるなんて嘘です。
調子乗りましたごめんなさい。


そうでした、時たまこんな甘々振りかざして余裕そうな顔で微笑むのが



「…その代わり、かまって欲しいってちゃんと…可愛くねだれよ?」


「…ぐはっ」


ウルトラスーパーデラックスかっこいいけど、時として悪魔のような私の彼氏様です。


< 33 / 324 >

この作品をシェア

pagetop