南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )


自販機についた瀬那は、サッと私の手を離した。


かと思えばその手は、そのまま私の頭へと伸びて


今までにないくらい優しく触れた。


「…せ、瀬那?」

「…あんま隙だらけだと困る。」


そう言いながらも、その手は私の頭を優しく撫でたまま。


「あ、あの…」

「他の男に触らせんな。」

「他の男…って、あ!嶋中くん…髪についてたゴミをね?」

「…ばーか、油断すんなあほ。」


出たよ、『ばか』と『あほ』のダブルパンチ。


油断してるつもりはないのに。

これっぽっちも…ないのに。


「ご、ごめん…」

「…何で付き合ってんのに…」

「……ん?」


途中で言うのをやめた瀬那を不思議に思い首を傾げれば”何でもない”と、自販機へとお金を入れ始める。


気になるじゃん、ばか。


…なんて、強くは出れないんですけどね?ええ。


”付き合ってんのに…”

なんだろう?

も、もしかして、もう付き合ってることに疲れた…とか?!

あ、あ、ありえる…ありえすぎるよぉ〜!!!!
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