南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )


ビックリしたけど、嬉しくて。
もっと一緒にいたかったけど、

"また後でな。"


たったそれだけで、笑顔になれるんだから不思議だな。


瀬那はいつだって、私を笑顔にする方法を知っていて単純な私はまんまとハメられてしまう。



「てか、あんなのより紗菜の方が可愛いじゃん」

「え!!…そ、そんなことないよ!!」

「絶対 そうだって!紗菜 奪っちゃいなよ。」




……教室ルートへと戻ろうとする私に、聞こえてきた声にドキッとして振り返れば


瀬那の班の女子2人と目が合う。


"紗菜(すずな)"と呼ばれた女の子は、とても大人びていて…清楚で…綺麗で……



ちゅ、中学生?!ほんとに?!



「っ!」


交わる視線の先、一瞬だけ向けられた笑顔に何故か体中がドクンと音を立てて寒気がした。



「な、に……今の。」


「森坂先輩!!早く案内してくださいよ〜!」


「え?あー!ごめんごめん!じゃ、教室ルートに出発しま〜す!」



綺麗に微笑むその瞳の奥に、静かに燃える闘志を感じたのは気のせいだよね。


わ、私バカだから、また変な方向に考えちゃって…。


瀬那はあんなにかっこいいんだもん!!そりゃ、みんなが私なんかと付き合ってることを疑問に思っても仕方ない。



うん、深く…考えるのはやめよう。
< 77 / 324 >

この作品をシェア

pagetop