南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「私、南先輩のこと好きになっちゃったって、さっき言ったじゃないですか。……知る権利があると思うんです。」
悪びれるわけでもなく、むしろ…毅然とした態度で私たちを見据える彼女に
「……わ、私が好きなの!瀬那のこと大好きなの!だから、瀬那のことは、諦めて。」
私はただ、力いっぱい叫ぶしか出来ない。
体育館の端っこ。
他の中学生はみんな出て言ってしまったであろう今、チラホラ残っていた案内役を終えた生徒たちが、私たちを見ながらコソコソ話しているのが聞こえる。
でも、そんなこと今の私にはどうってことなくて
「じゃあ……片想いってこと?」
「へ…?」
「だって、森阪先輩が南先輩を好きで仕方ないだけでしょう?」
クスクス…と可愛らしく笑って、"違うの?"と首を傾げてみせる仕草になぜか涙腺が涙を放出しようと準備し始める。