南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



しかも、ほとんど紗菜ちゃんが瀬那に話しかけてるせいで私なんてそこに在ってないようなもの。



『南先輩、これ』

『なに、』

『紗菜とおそろいなんです!
キーホルダー!』

『…いらない。』

『えー!せっかく買ったのに…』


…こんな会話を永遠聞きながら帰る私の辛さを、誰か分かってくれますか〜〜〜?!』(一応彼女)


おい、一応って言った奴誰じゃ〜〜!!!


間違いなく瀬那の彼女は私なの!!
私以外なんて、有り得ないの!!!


それなのに…それなのにぃぃい!!!



「最近じゃ、妹並に可愛がってるって…玲央くんも言ってたし。」


「……並んでると、ちょっとお似合い…って瑛翔(山田)くんも言ってたな〜…。」



「………………。」



「「う、嘘!嘘嘘!言ってなかった!」」



私の顔面には青筋、口からは流れる血でも見えたらしい2人は慌てて口を揃えて否定するけど



そう、ですか。



妹並に可愛がっていて、並ぶとお似合い。




「瀬那のバカー!アホー!浮気もの〜!!!」



こんな想いをするくらいなら、瀬那なんて…瀬那なんて…



無理ー!!!好きすぎるもん、傍にいたいよ〜!!




言えたら楽になるであろう、『瀬那の彼女は私なんだから!他の子と仲良くしないで。』的な言葉なんて、到底 言えない。


いや、言いたくない。
瀬那には自由で居てほしい。


縛りたくなんか、ないんだよ。



でも、私のことは我が物顔でリードに繋いでくれていいからね?ね?(願望)
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