南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



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「え?……今、なんて言った?」


「だから、今週の土曜日。原野に付き合って参考書 買いに行くって。」


「なんで?!…何で、瀬那が一緒に行くの?」



意味わかんない。
て言うか、到底 頭が追いつかない。


大好きな彼氏が、確実に自分に好意がある女の子と、2人で、しかも休日に会うって…意味わかんない。



「だから、来年 ここ受けるのに参考書 選んでほしいって言われたんだよ。俺もちょうど大学受験の参考書欲しかったとこだし。」


「やだ!!」


「は?」


「わ、私も行く!私も…参考書、欲しかったし!!」


「嘘つけ。お前は参考書なんていらないだろ。あっても勉強しないくせに。」


「…っ、だって、おかしいもん!!なんで、瀬那と紗菜ちゃんが2人で会う必要があるの?紗菜ちゃんが、1人で買いに行けばいいじゃん!!」




あんなにウザがってたじゃん。
あんなに…あんなに、冷たい態度取ってたくせに…なんで?


どうしちゃったの?



「いい加減にしろよ。中学生相手に張り合ってどうすんだよ。」


「っ……、」




分かんないよ。
瀬那には、分かんない。


いつだって、私は瀬那の事が大好きで…嫌いになんてなれなくて、瀬那は不安になる事なんてきっとないもんね。


それに比べて私は、


瀬那の気持ちが全然 分からなくて、いつだって追いかけてばっかりで、自信がなくて…



瀬那は私のこと本当に好きなのかなって、どんどん不安になっていくよ。



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