南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
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「あー!もうくっつき過ぎ〜!」
「もう、堂々と登場しちゃえばいいんじゃない?」
あれから、駅から少し歩いた場所にある本屋さんに2人の後を追いかけて入った私と嶋中くんは
瀬那から聞かされていた通り、参考書を選んでいる2人の姿を
少し離れたコーナーから覗いている。
「む、無理!見つかったら何て言われることか…」
瀬那のことだから、
『はぁ…呆れた。いい加減にしろ。』
とか、言いそうだもん。
いや、言う!絶対言うもん…。
「結局、森坂は尾行して何がしたかったの?」
隣で"今どきメンズヘアBest20"を本気読みしていた嶋中くんが、不意に私へと視線を向けて、そんな事を聞いてくる。
「へ…?…そ、それはもちろん、あの女狐が瀬那にちょっとでも変なことしないように見張りを…」
「ふ〜ん、あの女にちょっとでも動きがあったら、森坂出てって止めるんだ?…それ、結局 尾行してたのバレるんだから今出てっても同じじゃん。」
ドッカーーーーーンッ
すごい破壊力の言葉を投下された気分だ。
ちょ、待ってよ。
確かに確かに確かにそうだけど。
願わくは、何事もなく2人が参考書を買って別れるところを見届けて、私も瀬那にバレることなく、ホクホクな気分で帰宅したいんだもん!!