南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )
「ま、どっちでもいいんだけどさ。俺としては、あの女狐に頑張ってもらって…森坂が俺に泣きつく展開希望って言うか…ね?」
チュドーーーーーーンッ
あんなに優しかった嶋中くんが、相も変わらず優しい笑顔で投下する言葉たちは、私に少しダメージを与えすぎたらしい。
「え?!何それ、えぇ〜〜〜?!!!!嶋中くんは味方だと思ってたのにぃ〜!!!!」
「ばっ、森坂!声!デカすぎっ!」
「んぐっ、」
「ったく、声のボリューム気をつけろよ。仮にも尾行中なんだから。」
私の声のボリュームに驚いたらしい嶋中くんの手に、思いっきり口を塞がれていた私は
「っすぅぅっ、はぁ〜〜…ご、ごめんなさいぃ〜」
嶋中くんの手から解放され、やっとの思いで酸素を取り込み、それから反省。
嶋中くんが、実は密かに紗菜ちゃんを応援していたなんて知らなかったから、ついつい驚いて大きな声を出してしまった。
危うく瀬那にバレるところだった〜…!
ほんと、私ってダメだね。
隣の嶋中くんに、両手を合わせて"すまん"のポーズをすれば、"ふぅ"と溜息をつかれてしまう。
ほんと、嶋中くんもこんな私のどこが好きなんだろう?…って、自分で言って哀しくなってきた。