南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )

よ、よし！気を取り直して、尾行続行だ！今度は静かに…ね。




「……って、あれ？瀬那いなくなっちゃったよ？！嶋中く「佑麻、何やってんだお前。」


「え？何って今は瀬那の尾行中で……って、！！」


「へぇ…俺の尾行。随分 悪趣味だな。」



すぐ後ろから聞こえる、たった今 尾行中の彼の声。



聞きたかった、それはもう聞きたかったけど…今じゃない。



タイミングは今じゃないよ！！瀬那！！



「あーあ、見つかっちゃったな。」


こうなることは、分かってました…


みたいな顔で楽しそうな嶋中くんとは打って変わって…もう、全身から血の気が引いていくのを感じる私はどうしたらいいんだろう。


「…森坂先輩って、本当 自分に自信がないんですね？…クスッ。やることがストーカーみたい。」


続いて聞こえてきた声に、今度は全身 鳥肌が立つ。



「ス、ストーカー…って、毎日 毎日 瀬那を放課後 待ち伏せしてるアンタに言われたくないわよ！」


「私は、待ち伏せじゃなくて…堂々と迎えに来てるんです。」


"ね？南先輩♡"と、瀬那の腕に自分の腕を絡めて、上目遣いで瀬那を見上げる紗菜ちゃんに、怒りを通り越して泣きそうになる。