恋するライバル
学園の危機
平和な毎日
「合併…!?」
夏休み間近の、暑い暑い日。
私はこの重大ニュースを登校中の電車の中で聞いた。
あ、私は椎名麻友(シイナマユ)
高2
普通の、本当にふっつーの、女子高生。
「まだ噂みたいなんだけどね、なんかそういう話が出てるみたいなんだよね…」
そう言って、不安そうな表情をするこの可愛い子は、私の親友。
園田紗央莉(ソノダサオリ)
私と違ってめちゃくちゃ可愛い。
ふわふわで、見てるだけで癒される。
とにかく可愛い。
「合併…ねぇ…」
突然聞かされた、学校の合併話。
だけど、あまりリアリティがない。
「まー、でも…うちの学校ってこれまでにも廃校とかって噂は何度もあったけど、今まで全部デマだったしさ、今回もまだわかんないって」
私は不安そうな紗央莉を励まそうとした。
だって、実際に廃校の噂もあったしね、嘘じゃないのよ。
「でも、今回の噂は結構具体的なんだよ?」
「具体的って?」
ガタンと揺れて電車のドアが開いた。
私は紗央莉を乗ってくる乗客から守るように通路に立つ。
そしてドアが閉まると、また電車は動き出す。
「あのね、合併する学校とか、理由…とか
具体的な話が出てるみたいなの」
「え、そうなの?」
それはちょっと気になるな。
廃校するよりはマシだけど、
紗央莉にとっては、ある意味合併の方が不安だろうし。
私達は、電車で2駅のところにある、地元では唯一の女子高に通っている。
次の駅に電車が着いて、私と紗央莉は電車を降りた。
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