君と過ごした日々


手をすべらせて、巻物を落としてしまう。


「やばっ…」

落としたとたんに不気味な巻物がまた広がってしまった。


中身が見えて、布が変色しているのが見えた。

ずらっと並ぶ異形のそれは、なんとも言えぬ、言葉で言いあらわせないほど、おごそかな感じだ。


――…気味が悪い。
直感的に、そう思った。


「お父さんがきたら怒られる……もうなんでこうなっちゃうのかなー…私ってどんくさいし、馬鹿だしすぐ転んじゃうしな」


そこが愛嬌あるよ、奈都は。と友達は慰めてくれたのを思い出した。

自分の性格をぶつぶつと述べながらも、腰を下ろすようにしてその場に座った。


巻物を戻そうと手をかける。

もしかしたら早くしまいたかったのかもしれない。


そしたら、ふいに足音が聞こえてきた。ギィィと振動が伝わってきてびっくりする。


そして声がする。


「何やってるんだあー?」

男の人特有の低い声に動きを制止させた。

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