君と過ごした日々
「お父さん…?」
おそるおそる声を出しながら、見上げる。
「奈都、こっちに来なさい……」
「え、うん…」
鉛をたくさんのせたような重い空気……
鉛ひとつでも重いのにそれにプラスされているからどれほど居心地が悪いのか理解できると思う。
でも…
本当にこの空気は何?
触ってはいけない、超超レアなものだったりするんだろうか。
ゼロの数字が限りなく並ぶ代物…!?もしかして私、変なもの拾っちゃったかな…?
何か、大事なものだった…?偉人の遺産?
国宝とかいわれたら、もうショックで立ち直れない気がする。
そして蔵を出て、反対方向の家に向かった。