君と過ごした日々


「今から話すことは信じられないかもしれないけど聞いてくれ……」

「う、うん」

深呼吸をすると、聞く姿勢を切り替えた。



「この寺には、代々語り継がれる、予言があるんだ」

「予言……?」


いやあ、古い内容ですなあ。

そう言わずにはいられないことだった。


「そう……単刀直入に言うと、奈都、この巻物が見つかると奈都自身に何か起こるかもしれないんだ…」

「何、それ?」


なんとも情けない声を出した。あまりにも予想外な発言に、構えていた体の力が抜ける。


「その予言には百代目息子及び、娘には、不吉な何かが起こるらしいんだ。それは病気かもしれないし、事故かもしれない…ある巻物が見つかると2日以内に何かが起こる。奈都、お前に何か起こるかもしれないんだ」



嘘偽りなく、いつになく真剣な目付きで深刻そうに言い出した。


こんなお父さん、生まれて初めて見る。私は夢でも見ているんだろうか……?



今日ってまさかのエイプリルフール!?

ドッキリとかは本当に心臓に悪いからやめてほしいんだよね。


って待った違う、今は10月だ…!

それにお父さんユーモアセンスは悲しいくらいない時が多い。

しかもお父さんはすごく優しいからあまりびっくりする冗談は言わない。

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