君と過ごした日々



とりあえず私の事を言ってるんだよね…?

そんな簡単なことまで分からずに呆然としてしまう。


なんだろう、この、感覚。


聞いてはいけない。

踏み入れてはいけない境界線をこえてしまう気がして。


どうしてだろう。

朧気な、不透明で見えない何かが、脳内で暴れまわる。


頭が少し混乱してきた。



「何、それ」

「よくわからない…でもこの寺には、今までにはいろんな事が起こっているんだ。昔なんか、火の玉が出たとか、人が消えたり…」

「そういう話は…お父さん昔よく言ってたよね…」



この寺に伝わる話…?


よく小さい頃、話してくれてた。聞いた夜は怖くてトイレにも行けなかった。

そんな私に拍車をかけてお父さんも話を盛り上げるものだから、鳥肌が立ったもん。


背筋が凍るような怖い話も世にも恐ろしい話だってなんだってしてくれた。


友達が泊まりにきたときもたくさん話してくれた。


む、昔は若干チビリそうになったことは内緒だけど…!

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