君と過ごした日々
「大丈夫か?」
いつもの優しい声が落ちてくる。
何だか、ほっと溜息をついた。
お父さんか、よかった。私は、どうかしているみたい。
「うん。まだ少し頭が痛いのと気持ち悪いのだけだよ。ごめんね、心配かけて……」
「気にしなくていいよ。だけど、いきなり倒れるんだからびっくりしたよ」
「自分でもよく分かんないんだ。いきなり吐き気がして頭がふわってしたの」
「そうか……」
お父さんはそう言うと心から安心したように息をついた。
若干の震えがきていることを知り、落ち着かせるように腕を抱きしめた。
そして少しだけ押し黙り、意を決したように口をひらいた。
「お父さん……お母さんって……お母さんは、どうして、死んじゃったの?」
そう、長い間疑問に思っていたことがあった。