君と過ごした日々
ガタガタッ――
大きな地震なんて体験したことなんてなかった。
震度七はいくんじゃないかと思う。
すさまじい揺れが襲い、恐怖心が弄ぶように背筋に這いついた。
すごい振動で揺れて、まったく身動きが取れない…!
まるで、全てを奪っていくように。
パリーンッ
ドンッ
「なに、なに!この、地震……!」
「奈都、落ち着くんだ!」
「……っ、怖いよ!何、なの!」
誰が、こんなことを――…!
落ち着けと言う方が無理であり、それでも何とか自我を保っていた。
“何か”。
直接、姿をあらわせばいいのに…。
どうして?どうして…!
『 奈 都 』
ふわり、とまたあの声が振ってくる。
はっと覚醒して、目を見開いた。
あちこちからの地震の影響が出ていた。切り裂くような大きな音がして、何かが割れる音がする。
部屋はものすごい揺れに本棚の本が落ち、物が散乱している状況だった。
「奈都!」
「お父さん……」
ものすごい揺れの中、お父さんが一生懸命に這い寄って支えてくれた。
込み上げるのは恐怖で、目をぎゅっとつぶった。