君と過ごした日々
「お父さん、大丈夫?怪我はない?」
「ああ、何も倒れてこなくてよかったよ」
「怖かったぁ……っ」
二人してほっと溜息をつく。無事で本当によかった。
おそるおそる周囲を見渡せば、鋭い硝子の破片も色々な場所に散らばっている。
――本当に、危ない。
じわじわと恐怖が体を覆い尽くしていく。
「外、大丈夫かな……?」
「見に行ってみよう」
――しかし次の瞬間、とてつもなく、いやな予感がした。
何か、感じる……?
身体にこんなにも、存在を強調するように焼き付けるモノ。
不気味で妙に感じる威圧感。
「……何だ?」
二人して、目線を彷徨わせた。
とんでもないものが近くに潜んでいるような、
恐ろしいものが、どこかに、ある。
引き寄せられる、一番早く、その元凶を見つけていた。
「お、お父さん!」
気付けば叫び声に似た声をあげていた。