君と過ごした日々
「――――――…」
遠くで何か聞こえる。
お祭りでもしてるのかな……?
人の歌声も聞こえてくる―――…。
声高らかに聞こえる力強い歌声。
何の歌だろう――?悲しさと、希望と、僅かな愛しさがこの歌に込められているようで胸を痛ませる響きがある。
「ん……?」
ゆっくり目をあけた。
まず飛び込んできたのは、空一面の青空だった。
どこまでも透き通ったスカイブルーが延々と続いて、薄い消えそうな雲が流れていた。
歌がやんで、無駄にそろった行進の足音ががつ、がつっと脳に刻まれて、戸惑うように天に届いていく。
「ここって……どこ?」
えーと、さっきまでお寺の蔵にいたんだよね……?
妙に懐かしい男の子の声が聞こえて、それで。
なぜか道で、横になって倒れていた。