君と過ごした日々
まわりは木造建築の家々。あとはにぎわう人の声などであふれていた。
現代とは少し、違う風景だった。
まるで、夏休みにテレビでみたことのある戦争時代の風景だった。
半世紀も前の、大きな図書館もスーパーも、駅も、見渡す限り何もなかった。
「何、ここ?家じゃないよね……?」
声に出さなきゃ、現実が見えなかった。
私、何でこんなところにいるの。
さっきまで、蔵の中にいたよね…?
また混乱してきた。
遠くの方で、男の子の声が聞こえる。
「お務め御苦労さまです!しっかり戦って、敵を倒してきて下さい。銃後はわたしたち少国民がしっかり守ります!」
「な、にこれ……」
無意識の内に、ははは…と渇いた笑いが起きた。
いったい何をしているんですか…?