君と過ごした日々
「奈都(なと)――ッ!」
――ジジジ!
毎朝同じ時間に必ず鳴る、大きな目覚ましの音が、夢を遮った。
どうして…?
戸惑った鼓動が、神経をざわつかせる。
朝の恒例となった、お父さんの声が木造の家に振動して伝わってくる。
「ゆ、ゆめ」
し、心臓がどくどくなってる。
ちょ、ど、どうしたんだ自分。
「誰かの、こえ…」
私の名を、確かに呼んでいた。
泣きだしたくなる衝動で私の胸を静かに揺さぶって。
―――『奈都…っ』
「お、落ち着いてよ、心臓」
大きく深呼吸して、とりあえずベットから起き上がって立つ。