君と過ごした日々
そこには一つの小さい巻物があった。
思わず咳き込むようなほこりをかぶっていて、とても古い物。
巻物にしては、形がめずらしく、丈夫な布に巻かれていた。
古臭いにおいがして鼻の奥がずんっ、と痛くなる。
「こんなのあったかなー?前探してたときはこんなのなかったのになあ。まさかのお宝新発見?うわ西公寺奈都、前代未聞のお宝ゲット!?」
やりましたよお父さん!
ふはと無邪気に、まだまだ子供だと思うような中学生らしさを滲ませて笑っていた。
テレビの鑑定団に応募しようかな、と本当に馬鹿みたいに考えていた。
なぜなのか、この巻物が見つかった瞬間から、意味が分からないくらいテンションがあがっていた。