君と過ごした日々
楽観的に物事を考えて、その巻物がいかに運命を左右するのかさえ想像できなかった。
知らなかった。
巻物が私の運命を変えるなんて今この時に自分で気づいていたら……。
不思議に思って見ていると、急に好奇心がわいて中身を見たくなった。
こんな怪しげな雰囲気を纏ったものは、お寺の中でまだ見たこともなかった。
古めかしい昔のものはたいていこのお蔵の中にあるけれど、異質な雰囲気、言ってしまえば何か魔力でもありそうなこの巻物は人生で初だ。
ドク、っと高鳴る心臓はどこか動揺していた。
とは言っても、こんなご時世そんなファンタジーちっくな物は存在するわけがない。
「まあ、ちょっとくらい見てもいいよね」
とのんきに言った。
そして最近のアイドルの曲を鼻歌交じりに歌った。