100万回の祈りをキミに



「ねぇ、本当に大丈夫なの?」

3限目の体育の時間。教室で着替えている途中、凪子が心配そうに私を見た。


「大丈夫だって」

こういうのは騒ぎにすると余計ひどくなる場合もあるし、消えろなんて書かれた紙はゴミ箱に捨てればなんてことはない。


「今日の授業3年生と合同で体育館だって!しかも2組だよ!」

情報を手に入れた女子が叫ぶと、着替えていたみんなが突然キャーキャー言い出した。

それが収まらないまま体育館に移動すると、言っていたとおりそこには3年生の姿。


「つーか女子はしゃぎすぎじゃね?」なんて、すでに体育館で着替えを済ませていた男子がぼやいていた。

まぁ、男子は面白くないだろうけど女子が盛り上がるのは分かる。だって3年2組といえば人気の先輩たちが何人もいるクラスだし、その中には……。


「あ、波瑠。亜紀先輩いるよ」

凪子が私に耳打ちをした。

目が合って亜紀はニコッと軽く手を振る。もちろん振り返そうとしたけど私の手はすぐ下へ。

だって亜紀の後ろに麗花先輩がいたから。


麗花先輩も2組だったんだ……。クラスの女子みたいにはしゃげなくなってしまった。

< 114 / 258 >

この作品をシェア

pagetop