100万回の祈りをキミに
「な、凪子は関係ないでしょ」
「アンタの友達ってだけでウザいから」
凪子に手を出されることだけは避けなくちゃ。
先生はいいからとにかく捕まらないで……。
そんな願いとは裏腹に麗花先輩はなぜかアルコールランプを手に持った。
「本当さぁ何様なのって感じだよね。年下のくせに亜紀のこと呼び捨てにして彼女気取りなのかな?」
ゆっくりとした口調が違和感だらけで気持ちわるい。
「亜紀は今のところみんなのものなの。まぁいずれ私が両想いになる予定だけど。だって私たちお似合いでしょ?」
そう言ったあと、麗花先輩はマッチでアルコールランプに火をつけた。
オレンジ色の炎がどんどん近づいてきて、熱さが鼻先に伝わった。
私はどこかでこんなことをしても理性はちゃんとあるから、大きなことは起きないだろうって思ってた。
だけど麗花先輩の目が本当に危なくて、初めて身の危険を感じた。
「前髪から燃やしちゃう?顔にヤケドでもしたら二度と亜紀の前に出れないよね?」
「や、やめて……」
「アンタが悪いんだよ?忠告したのに私に逆らうから」
焦げる匂い。
怖い、怖い、助けて。だれか……!
「やめろ」
とっさに目を瞑った瞬間、炎の熱さが離れていった。