100万回の祈りをキミに



亜紀への気持ちは毎日加速する。

こんなに好きになっちゃっていいのかなってぐらい。

あの理科室の時、亜紀の気持ちは自分なりに理解したつもりでいる。だけど本当に亜紀が私のことを?っていまだに信じられないし、あれは夢だったんじゃないかって思う時もあるけど。


「ケンお前は可愛いなぁ」

そして亜紀の腕の中にいるケンに嫉妬してるのは内緒。

だって亜紀の寝顔とか見放題じゃん。犬に嫉妬しちゃう私って心が狭いのかも……。


「ケン私のところにおいで?ほら、ケンケン~」

カラカラとおもちゃを鳴らすと、亜紀がそれを見て笑う。……まさか私の醜い嫉妬がバレた?


「その呼び方今ので2回聞いた」

「え?」

「似てるんだよな、波瑠と。一緒にいるだけで太陽みたいにポカポカして、そういう人って一瞬で場を明るくする力を持ってるのかも。なーケンケン」


誰と比べられたのか分からないけど亜紀が嬉しそうだし、まぁいいか。

ケンはそのあと遊び疲れて寝てしまった。亜紀がゲージに戻している間、ふっと机の上を見るとそこには【入学願書】と書かれた紙が置かれていた。


「これって……」

「ああ、誠凌に出すやつ」

……願書ってこんな感じなんだ。証明写真の亜紀は相変わらずイケメンだし字もすごくキレイ。

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